【この記事はクサガメに限らずミドリガメやイシガメ、ゼニガメなどの水棲カメにも共通するものなので参考にしてみてください】
それではクサガメ飼育水槽の設置について見ていきましょう!
水槽設置の基本知識
水槽を設置するにあたってまず大切なポイントは5つ
1 床面が水平な場所に設置する(凹凸のない場所)
2 水槽の重さにしっかり耐えられる安定した場所を選ぶ
3 直射日光があまり当たらない場所
4 電源が近くにある場所を選ぶ(特に室内は大切)
5 高所に置かない
では、それぞれ理由をみていきましょう!
水平な凹凸のない場所を選ぶ理由
水槽を水平なところに置く理由はまず、滑落や転倒を防ぐ目的があります。
また凹凸がある場所に設置してしまうと、水槽の底面に圧力が均等にかからず負荷がかり破損する恐れがあるからです。
特にガラス水槽やアクリル水槽の場合は傾いていたり歪んだところに水槽を設置してしまうと、水槽自体が歪み破損や水漏れの原因になることもあるので注意が必要です。
水平な場所に設置する理由は他にも理由があります。
みなさんも自身の家を選ぶとき、内覧の時とかに床は水平か?家が傾いていないか?ってチェックする項目ですよね?
ずっと傾いたところに住むとストレスになるのはカメさんも同じです。
水槽の重さにしっかり耐えられる安定した場所を選ぶ理由
また置く前に床面がいくら水平でも、水槽を設置したときに歪んでしまうような弱い床面や台も同じくトラブルの原因となりますので注意してください。
設置後には水、レイアウトに使うものや器具が入りそれなりに重くなることを考慮しましょう。
長時間水槽を置いても歪んだり沈んたりしない場所を選ぶことが大切です。
水槽専用の台以外に置くときは特に注意しましょう。
(カラーボックス、本棚、メタルラック、机などに置く場合)
直射日光があまり当たらない場所を選ぶ理由
直射日光が長期間当たる場所に置いてしまうと、紫外線による水槽の劣化が早まってしまい、変色や表面の劣化、パッキン部分の劣化による水漏れなどのトラブルが起きやすくなります。
また直射日光によりコケやぬめりが出やすくなります。
そして、夏場には高温になってしまうためカメさんの体調や命に関わってきますので注意が必要です。
電源が近くにある場所を選ぶ理由(特に室内は大切)
これは管理をしやすくするための意味で大切です。
クサガメを飼育していくと今後、ライト、フィルター、ヒーター、扇風機、エアポンプなどの飼育器具を使用する場合が出てきます。その時に電源が近いと便利です。
しかし電源近くで水槽を設置する場合、水はねによる電源の劣化や漏電やショートには十分気をつけるようにしてください。
簡単な水はね防止のカバーを付けるだけでトラブルを減らせます。
高所に置かない方がいい理由
当たり前ですが日本は地震の多い国です。いくら1〜4の条件がしっかり揃っている場所に設置していても大きな地震などで転倒してしまっては危険です。
カメさんの命にも関わりますし、もちろん飼い主の怪我などにも繋がります。
また自分の胸の高さより高いところに設置してしまうと、掃除の時など台が必要になり管理が大変になります。
台に乗って掃除しているときに転倒し、その拍子に水槽が割れて本人が怪我をしたというケースも身近であったので一応注意が必要な項目だと思います。
屋外に水槽を設置するメリットとデメリット
屋外設置の大半は、お庭かベランダの設置になるかと思います。
小さいカメさんの飼育にはやや不向きですが「鑑賞よりも屋外でワイルドにクサガメを育てたい!」とうい方にはオススメの方法です。
紫外線ランプを用意しなくていい分コストが抑えられる点も魅力です。
一方で、屋外で電源が取れない場合などは電源が必要なフィルター(濾過器)やエアポンプを設置することができないため、こまめな水換えが必要になります。
ですので水質の維持には少し苦労すると思います。
ではその他のメリット、デメリットを見ていきましょう!
メリット:水回りのトラブルが少ない・紫外線ランプ不要
・屋内より自然に近い環境で飼育ができる
ライトなど要らないので、日照時間のコントロールが不要。
冬眠の準備などにも自然と入れる。
・甲羅干しのための紫外線ランプや蛍光灯を用意する必要がない
自然の紫外線を浴びさせてあげることができる。
クサガメの甲羅干しがなぜ必要なのかを参照してみてください
・水槽から水漏れなどした時のトラブルの被害が少ない
家のなかを水浸しにしてしまったりする心配がなく、隣家に迷惑をかけることも少ない。
・排水溝などが近くにあると水換えが楽
デメリット:急な温度変化・天敵に注意
・電源の確保がしづらい
電源が必要な飼育器具の設置がしづらくなります
・鑑賞に不向き
・屋内より水槽の劣化がはやい
風雨や紫外線の影響により屋外は水槽の劣化が早いです。
・急な気温変化、気候変化に対応しづらい
電源が確保できない場合はヒーターや扇風機などを導入できない。
・気候の条件によっては注意が必要
特に夏は熱中症になったり、冬は凍死してしまう場合があります。
・カラスや猫などの天敵に襲われる可能性がある
特にカメが小さいサイズの時は注意が必要。
対策として必ずフタや網を被せるようにしましょう。
過去記事クサガメの天敵を参照してみてください。
・小さいカメ、幼体の飼育は注意が必要
天敵以外にも、カメの体が小さいうちは気候や気温の急激な変化の影響を受けやすく、体調を崩したり、弱ってしまったり、最悪亡くなってしまうケースもあります。
屋内に水槽を設置するメリットとデメリット
小さいカメさんの飼育にも向いており、「室内で鑑賞しクサガメと家族のように暮らしたい!」という方にオススメです。
室内は温度変化にが緩く、電源も取れるため季節の気候変化にも対応しやすいので、カメさんを快適に過ごさせてあげる環境作りがしやすいです。
一方で屋内設置で一番怖いのは水漏れトラブルです。
水換え時に水をこぼしたり、何かの拍子に水槽を倒してしまった時、漏電などのリスクに気を遣う必要があることだと思います。
ここら辺を気遣いできれば問題はないと思います。
ではその他のメリット、デメリットを見ていきましょう!
メリット:電源確保がしやすい・鑑賞を楽しめる
・鑑賞がしやすい
・電源の確保が用意
飼育環境を整えやすいので、管理も楽になります。
・飼育環境の温度の管理がしやすい
電源の必要なヒーターや扇風機を導入することで暑い日や寒い日に対応がしやすくなります。
・1日の温度変化が緩やか
朝晩で大きく気温の差がある季節は、カメさんも体調を崩したりすることがあります。基本的に屋内飼育の方が屋外よりも気温の差が緩やかなのでカメさんの体調管理もしやすいです。
・天敵に襲われる心配がない
クサガメの天敵についてを参照してみてください
デメリット:水漏れトラブルが起きやすい・ニオイがこもる
・水漏れなどが起こった時など、トラブルになりやすい。
水槽の水漏れや水をこぼした時にマンションなどに住んでいる方は下階に水が漏れてしまうなどのリスクがあるので特に注意が必要です。
水換え時にも気を遣う必要があります。
・紫外線ランプが必要
屋内だとなかなか成長に必要な紫外線は補いきることが難しくなります。そのため紫外線の出るランプが必要になります。
なぜ紫外線が必要なのかは過去記事 (クサガメの甲羅干しがなぜ必要なのか)を参照してみてください
・カメの騒音や飼育器具の作動音が気になる
カメは大人しいイメージかもしれませんが、思いの外よく動きます。
水槽内を泳いだり、慣れてきたら寄ってきたりもします。その時に水槽に甲羅がぶつかって音がなったりする事はよくあります。
また、飼育器具の作動音も多少は出るので音に敏感な方は少し屋内飼育は考えた方がいいと思います。
特に寝室に水槽を設置するのはオススメしません。笑
・部屋にニオイがこもる
クサガメはフィルター(濾過器)などを使わないで飼育すると、1〜2日で水がすぐに汚れニオイがしてきます。それが部屋にこもると不快になると思います。そのためフィルターを入れない場合はこまめな水換えが必要です。
*大きいカメさんほど排泄も多くなり水を汚すので匂い問題は考慮する必要があります。
水換えに関する記事はこちら↓
クサガメの水換えのやり方|頻度や注意点・水槽掃除のポイントを解説
クサガメ飼育にオススメの水槽濾過器(フィルター)を紹介|種類や性能を詳しく解説!
カメや熱帯魚に使う水槽の濾過器(フィルター)について|役割や必要性・仕組みを解説!
クサガメの水槽濾過器(フィルター)の選び方|選ぶ基準や種類ごとの実践経験も交え解説!
Yama家の水槽設置の実例
ちなみに我が家は屋内で飼育をしています。(ガラス水槽を使用)
南側に窓があり自然光が入る部屋です。
適度な自然光を取り入れる目的と電源が近いため窓際に設置をしていますが直射日光が当たりすぎないようにするため壁に寄せています。
ベランダまでの距離もすぐなので水換え時の排水も便利です。
↓我が家の水槽設見取り図です
↓水槽設置の実際の感じ
↓電源の近くに設置しているので便利です。
↓延長タップに水がかからないようにクリアファイルを被せガードしています
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クサガメ飼育水槽の設置場所まとめ
・床面が水平な場所に設置する(凹凸のない場所)
・水槽の重さにしっかり耐えられる安定した場所を選ぶ
・直射日光があまり当たらない場所
・電源が近くにある場所を選ぶ(特に室内は大切)
・高所に置かない
屋内外を問わず、まずはこの基本を考慮して設置しましょう。
屋外飼育は・・・
・水漏れトラブルの心配が少ない
・急な温度変化、夏や冬の気温、天敵対策に気を遣う必要がある
・小さいサイズのカメはあまり向かない
屋内飼育は・・・
・水漏れトラブルのリスクがある
・安定した管理ができるので温度のトラブルが屋外より起きにくい
・飼育器具を充実させやすいため飼育が楽になる
・水槽が劣化しにくい
・小さいサイズのカメも安心して飼育できる
・水質管理をしっかりしないとニオイが部屋にこもる
・カメの生活音、飼育器具の音が多少する
こうしてまとめて見るとわかるように、屋内の方が何かとメリットが多いので飼育は安心です。
我が家が現在、屋内飼育を選んでいるのもそのためです。
過去に幼体ミドリガメで屋外飼育の経験があるのですが、当時の知識や管理不足もあり、弱って死なせてしまったのでその教訓もあっての判断です。
これらの要素を踏まえた上で、ご自身で判断してから水槽を設置し飼育環境を整えてクサガメ飼育を楽しんでいただけたらなと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました!