クサガメ飼育歴15年のYamaです。
カメの飼育で悩むポイントとして、冬場の飼育方法がよく話題に挙がります。
冬眠させて越冬するのか・ヒーターなどの器具を使って他の季節同様に飼育を続けるのか、大きく分けてこの2つになるかと思います。
この記事では、冬眠させない場合の寒い時期の飼育方・寒さ対策について解説していきます。
【この記事はクサガメに限らずミドリガメやイシガメ、ゼニガメなどの半水棲カメにも共通するものなので参考にしてみてください◎】
もくじ
冬眠させないで飼育する方法
カメを冬眠させないで飼育するためには一般的に室内で飼育し、水中ヒーターやバスキングライトなどの器具を使って飼育環境を暖かく保つ必要があります。(保温飼育と言います)
飼育する部屋は、日中は日差しが入るような出来るだけ暖かくなる場所を選ぶと良いです。
そもそも保温をする意味って?
保温することで、寒い時期でもカメの活性を保つことができるため、冬場でも餌を食べてくれるようになります。
また保温の効果により、食べた餌の消化もしっかりできるため、冬場でもカメが痩せたり弱ったりするリスクが少なく飼育できるからです。
つまりカメが元気な状態で飼育ができるということです◎
飼育環境が18℃〜10℃で保温せずに飼育すると、カメが餌は食べないけれど冬眠せず起きて活動している状態になってしまうため、どんどん体力を消耗してしまいます。
冬眠させないで飼育することのメリット
一番のメリットはやはり冬眠中に命を落としてしまったり、衰弱してしまうリスクやトラブルが無くなることです。
そもそもカメの冬眠自体が飼育下でも自然界でも命がけの行動で、失敗すると命を落とすリスクがあります。
飼育下で冬眠させる場合、事前の準備や冬眠中の管理も必要になるので、普通に飼育している以上に神経を使うこともあります。
特に初心者のカメ飼育ではあまりオススメできません。
個人的な意見として、ちゃんと保温してあげてカメさんの元気な姿を日々見れる方がやはり安心です◎
またこれは飼い主視点の話ですが、冬眠させてしまうと数ヶ月はカメさんと触れ合えないので、ちょっと寂しくなるというのもありますね。笑
保温飼育は冬眠ができないカメ・生後2年くらいまでの小さいカメなどにも最適
保温飼育では、生後2年くらいまでの小さいカメや病気など何らかのトラブルで痩せていたり・体力が衰えているカメの冬場の飼育にも向いています。
そもそも全てのカメが冬眠できるわけではありません。
特に小さいカメや病気をしたカメ・体力が落ちているカメは、冬眠するための十分な体力を蓄えらていなかったりするため、冬眠ができません。
仮に冬眠したとしても冬を越せずに死んでしまうことが多くあります。
ですのでヒーターやバスキングライトを使った保温飼育が、有効になってきます。
冬場の飼育最適温度(20〜25度)
冬眠させない場合、クサガメや半水棲カメの冬場の飼育適温は20〜25℃と言われています。
実際に20℃以上あれば餌もちゃんと食べてくれるので心配ない温度と言えるでしょう。20℃〜18℃を下回ると活性が下がりあまり餌を食べなくなります。
カメの活性が一番高い温度が25〜30℃なので、カメ用に売られているオートヒーターの多くが25℃くらいに設定されているのはそのためです。
↓カメ向けのオートヒーター(26℃に設定されています)
水中ヒーターに関する詳しい記事はこちら↓
クサガメや半水棲カメに使う水中ヒーターの使い方・選び方!実際に使った感想や失敗談を紹介
ポイント:水温と気温をバランスよく
冬場の飼育は、ただ器具を使って加温すればいいというわけではありません。
水槽内の水温と気温をバランスよく温めることが大事になってきます。
水温と気温が同じくらに保てることが理想です。
できれば気温が若干高いくらい、水温≦気温のバランスだとなお良いです◎
例:水温20℃に対し気温23℃
水槽内の水温と気温のバランスが悪いとストレスに
悪い例えでいうと、水中ヒーターを使って水温は25℃に保たれていても、水槽内の気温が15℃しかない環境はよくありません。
カメさんは餌を食べた後に、暖かい陸場で甲羅干しをして体温を上げて食べた物の消化を促すため、このように陸場が寒いと結果的に体温が下がって活性が落ちてしまうので、消化に時間がかかってしまったり消化不良を起こしてしまいます。
なので結果的に水中を加温した意味があまりなくなってしまいます。
また暖かい水から出て外があまりに寒いとストレスになります。
人間も水温25℃のプールから気温15℃の外へ出たら、寒くて震えてしまいますよね?カメさんにも同じストレスを与えることになってしまいます。
そこで、バスキングライトなどを使って気温も高くしておくことでしっかりと体温を上げて活性を保つことができます。
保温飼育のために用意する器具
水中ヒーター、バスキングライト、水温計・気温計を用意しましょう。
紫外線ランプは年中必要なものなので今回は省きます。
器具を使った冬の寒さ対策・保温方法
カメの水槽を保温するために、水中ヒーター・バスキングライト・暖房器具など使った方法を紹介していきます
それぞれ特徴や役割が違うので見ていきましょう!
対策1:水中ヒーターを使い水温を暖かく保つ(最優先!)
水中ヒーターは水槽内の水温を一定の温度まで加温し保ってくれる役割をします。
まずは水中ヒーターを使って水温を暖かく保つことを優先しましょう。(20〜25℃くらい)
必ず一日中(24時間)点けたままにして、常に水を保温しておく必要があります。(昼夜問わず水温は暖かいままに維持する)
クサガメなどの半水棲カメは、水中で暮らす時間も長いため、まずは水が暖かくないと活性が上がらなくなってしまいます。
水中ヒーターに関する詳しい記事はこちら↓
クサガメや半水棲カメに使う水中ヒーターの使い方・選び方!実際に使った感想や失敗談を紹介
また水槽にガラス素材などのフタをすることで水の蒸発を防いだり、水槽内の水からでる熱気を逃さないようにしてくれるので、水槽内の気温も少し上げてくれます◎
注意:紫外線ランプをガラスふたで遮らないようにしましょう◎ ガラスが紫外線を遮ってしまい効果がなくなってしまいます。
オススメのヒーター
↓温度が調整できるタイプ。亀以外にも熱帯魚などにも使えます
↓温度固定(調整はできない)タイプ
しかし、水槽にがっちり固定できるため亀が触っても外れにくく安全。
↓温度固定(調整はできない)タイプ
安価ですが、水棲の固定が若干弱い。5〜6cmくらいの小さい亀さん向き
もっと詳しく
対策2:バスキングライトを使い気温を高く保つ(陸場の保温)
バスキングライトは水槽内の気温を暖かく保つ役割をします。
バスキングライトがあれば水中から出た後もカメは寒くないので安心です◎
カメが甲羅干しする陸場付近に向けて設置することで、カメが効率よく体を温めて活性をあげることができます。
基本的に日中のみ使い、夜間は消すようにしましょう。
また夜用のバスキングライトがあるので特に寒い日の夜などには用意しておくと安心です。
オススメのバスキングライト
対策3:暖房をつけた部屋で飼育する
室内での飼育の場合、暖房器具を使っている常に暖かい部屋に水槽を置く手段もありです。常に20℃以上に保てればOKです◎
そのような場合、ヒーターやバスキングライトも必要がなくなるため管理は楽になります。しかし暖房器具をずっと点けっぱなしにする必要があるため、電気代などの光熱費はかかるので注意!汗
保温器具を使って飼育する時の注意点
ここでいくつかヒーターなどの保温器具を使った飼育の注意点を挙げて解説していきたいと思います。
水中ヒーターは使い始めたら暖かい季節になるまで使い続ける
水中ヒーターを使う時は、基本的に暖かい季節が来るまでずっと使い続けるようにしましょう。
寒い時期やまだ寒さが残っている時期にヒーターの使用をやめてしまうと、水温が急に下がったりしてカメが体調を崩してしまう原因になります。
器具の点検・水温や気温のチェックはこまめにする(温度計の用意は必須!)
器具も使っていると気づかぬうちに壊れていることもあります。
そのような異変にいち早く気がつけるように、器具はちゃんと作動しているかこまめに点検するようにしましょう。
水温計や気温計を導入し、器具の設定温度と狂いはないかなどもチェックする癖をつけておくと良いです。
特に水中ヒーターが壊れていると、水が熱くなってしまったり、逆に全く加温されず水温が低くなってしまったりするため、カメに負担がかかってしまいます。
ヒーター使用時は必ず設置しましょう。ヒーターの誤作動や故障・停止などにも気がつくことができるためです。
我が家の冬の飼育方法
水槽を置いてる場所は、南向きの日当たりの良い部屋です。真冬でも陽が入ると日中は20℃近くまで上がるのでポカポカしてる部屋です。
我が家は都内なので、他の寒い地域に比べると冬は暖かい方だと思います。
そのため日中は、水中ヒーター(20℃に設定)を設置し・熱が逃げないようにガラスふたをして飼育していることが多いです。(日中は紫外線ランプは遮らないようにフタしています)あまりバスキングライトは使っていません。
※住む地域・環境の寒さや日中の室温によってはバスキングライトを使うことをオススメします。
夜間は、紫外線ランプを消したあとガラスふたをしっかりして水槽の水から出る熱気を逃さないようにして保温しています。
なぜ水温が20℃設定なのかというと、日中の室温と大きな差を出さないためです。
実際の飼育間取りと部屋の様子↓
我が家のとんちゃんはどうやら寒さに強いようで、ヒーターをいれなくても冬眠する気配がなく活発です。笑
ヒーターに関連する記事はこちら
他にもヒーターや水温維持に関する記事があります!どうぞご覧ください◎
もっと詳しく
クサガメを冬眠させずに飼育する方法まとめ
・冬の飼育適正温度(冬眠させない場合)
飼育環境を20~25℃くらいに温度を保ち、カメがちゃんと餌を食べて元気な状態にする。
・寒さ対策
ヒーターやバスキングライトを使い保温。
暖房器具を使い部屋ごと暖めるのもあり。
・保温のポイント
水槽内の水温と気温の差があまり出ないように気をつける。
・注意点
器具がしっかり作動しているかこまめにチェックする。
保温器具を使い始めたらそのシーズンは使い続ける。
ヒーターやバスキングライトをうまく使うことで、冬でも快適にカメさんを過させてあげることができます。心配な場合は無理に冬眠させたりせず、保温飼育をするようにしましょう◎
それでは最後まで読んでいただきありがとうございました!