- クサガメ飼育歴13年のYamaです。
もくじ
水中ヒーターについて
水中ヒーターは、水槽内の水温を温めて一定の温度に保ってくれる便利グッズです。(温めて水温を上げることしかできません)
クサガメが一番活発になる温度は25〜30℃なので、秋口くらいから気温が下がってくるともに水温も下がり、カメの活性が落ちて餌食いなどが悪くなってきます。
特に20℃以下になるとカメはあまり餌を食べなくなってしまいます。
それを解決するのがこの水中ヒーターです。
水温を20℃以上に保ちカメの活性をあげて、冬場でも餌を食べて快適に過ごさせてあげることができます。
カメに使う水中ヒーターの適温(温度設定)
先ほども書いたようにクサガメが一番活発になる温度は25〜30℃です。
そのためカメ向けの温度固定型のヒーターだと、25〜26度に設定されている場合が多いです。
この水温だと、カメの活性がしっかり保てるため餌食いも非常に良いです◎
ちなみに我が家では、温度調整ができるヒーターを使っているため、20〜22℃と冬場は少し低めの温度設定にしています。そのため26℃設定の時よりもカメの活性は低めですがとても元気に暮らしています。
外気温と水温の差をできるだけ大きくしたくないためです。
今までの経験上20℃〜26℃の間で設定しておけば特に問題はなさそうです。
何℃がベストというより、元気に動いて餌を食べてくれる温度に設定することが一番大切なので、しっかりカメさんの様子を観察してベスト水温を見つけてあげましょう◎
水中ヒーターのタイプ
水中ヒーターには大きく分けて2タイプがあります。
温度固定型のタイプと温度調整ができるタイプです。
それぞれのメリット・デメリットがあるので紹介していきます。
温度固定タイプの水中ヒーター(サーモスタッド不要のオートヒーター)
このタイプは、あらかじめヒーターに設定されている温度に水を温めてくれるものです。
ひとつの温度に固定されているため、他の温度に調節することはできません。
その代わりヒーター内に温度を感知するセンサーが設置されているのでサーモスタッドが不要です。
水中に設置して、電源をさすだけで使えるので初心者の方でも扱いやすいタイプになります。
↓この製品は26℃に設定されているものです
メリット(シンプルで使いやすい・水槽スッキリ)
作りがシンプルで、水中にヒーターを設置し電源を入れるだけで簡単に使うことができます。サーモスタッドが不要なため他の器具も必要がなく、水槽内をスッキリ見せることができます。
値段も1000〜2000円ほどでお手頃です。
↓設置した感じはこのようにシンプル
デメリット(他の温度に調整ができない)
ひとつの温度に固定されているので、設定温度以外の温度に調整することができません。
例えば、28℃に温度設定がされている水中ヒーターは28℃まで水温を自動であげてくれます。
しかし28℃を保つように固定の温度が設定されているため、25℃で保つことできないということになります。
温度調整ができるタイプのヒーター(サーモスタッド一体型)
このタイプは、サーモスタッドが一体型になっており幅広い温度管理ができる物です。
付属のコントローラーで温度を自分で設定することができ、15〜35℃くらいの間で1℃単位で細かく調整ができる製品が多いです。
↓この製品は22〜31℃まで調整が可能です。
また付属の水温を感知するセンサーを水槽に設置するタイプとヒーター本体にセンサーが内臓された一体型の2タイプがあります。
↓水温センサーを設置するタイプ
↓水温センサー一体型のタイプ
メリット(細かい温度設定ができる)
温度を幅広く調整できるため、カメの様子をみてベストな温度に細かく調整ができます。
万が一カメが病気になった時などに、いつもの水温より高く設定したい場合などにも役立ちます。
↓コントローラーのダイアルを回すだけで温度調整ができます(この中にサーモスタッドが内蔵されています)
デメリット(値段が高い)
価格が3000〜6000円と温度固定タイプに比べて高めです。
一体型のものは付属のセンサーやヒーター本体・コントローラのどれかひとつでも壊れてしまうと、丸ごと買い換える必要があるためコストパフォーマンスが若干悪いです。
サーモスタッドについて
サーモスタッドは水中ヒーター本体のON/OFFのコントロールをしてくれるものになります。
温度センサーと連動して働くことで、設定した水温に達すると自動で水中ヒーターの電源をOFFにし加温をストップし、水温が下がると水中ヒーターの電源をONにして加温をスタートしてくれます。
サーモスタッドがあることで、水温が熱すぎたりぬる過ぎたりするのを防いでいます。
↓サーモスタッドが内蔵されているコントローラー
半水棲カメに使う水中ヒーターの選び方
クサガメ・ミドリガメなどの半水棲カメ向けの水中ヒーター選びでは
・水量に見合ったものを選ぶ
・カメ用は丈夫なものを選ぶ
・水中にしっかり固定できるタイプ
・初心者は温度固定型
・オススメは温度センサー・サーモスタッド一体型
・空炊き防止などの安全装置が付いているものを選ぶ
このようなものがポイントとなってきます。
ではそれぞれ解説していきます。
水量に見合ったものを選ぶ
水中ヒーターのパッケージや説明に書かれている適正水量をチェックし、水槽に入っている水の量と合っているかをチェックしましょう。
ヒーターのパワーと水量が合っていないと、ヒーターの効果が十分に発揮されません。しっかり水温が上がらなかったり、水が温まるまでに長い時間がかかってしまったりします。
効率よく加温するためにも、水の量と見合ったものを使いましょう。
(これはカメだけでなく熱帯魚なども同じです)
↓水中ヒーターのパッケージに表記されている適応水量をチェックしましょう
丈夫なもの・水中にしっかり固定できるタイプを選ぶ(これが一番大事!!)
カメは結構力がありやんちゃな面もあるため、ヒーターを外してしまったり壊してしまうことがあるのでカメに使うヒーターを選ぶ一番大切なポイントです。
まず水中にしっかりと固定できるタイプを選ぶことが大切です。
ヒーターの固定が弱いものだと、カメがぶつかったり暴れた時に外れてしまい水中の外に出てしまったりする場合があります。
そうすると、ヒーターの効果がないだけでなく空炊き(水の外でヒーターをつけっ放しにしてしまうこと)をしてしまって故障の原因になったり、カメが触ってやけどなどの怪我をする原因にもなります。
ヒーターやカバーが丈夫なものを選ぶ理由も、同じく破損や故障・カメの怪我に繋がらないようにするためです。
しっかり固定する方法は実践例でこの記事の後半で紹介していきます。
初心者はカメ用の温度固定タイプの水中ヒーターがオススメ
カメの飼育や水槽器具に慣れていない方は、温度固定タイプのヒーターをオススメします。
理由は、設定温度も決まっているため水中に設置し電源を入れるだけで簡単に使えるからです。
こういう器具などに慣れていないうちは、簡単に使えるものを選ぶことでトラブルなどを回避できるためオススメです。
このタイプは自分も初めの頃に使っていました。
設定温度の変更できませんが、カメ用のものを買えばカメに適した温度に設定されているので、温度変更ができなくても特に何も問題はありませんでした。
そして何より、簡単に使えるのが魅力的でした◎
オススメはサーモスタッド一体型(特にヒーター内に温度センサーが内臓されているタイプ)
個人的には温度を調整できるサーモスタッド一体型のタイプがオススメです。
カメの状態を見て温度を少し上げ下げしてあげられるためです。
また病気になった時に水温を上げたい時などにも役立ちます。
また温度調整ができるタイプを選ぶ場合は、特にサーモスタッドと一体型で温度センサーがヒーター本体に内臓されているタイプを選ぶことがオススメです。
サーモスタッドとヒーターが一体型の製品でも
・温度センサーがヒーター本体に内臓されているタイプ
・温度センサーがヒーター本体とは別になっているタイプ
この2パターンがあります。
大した違いはないように思えますが、安心感と使いやすさともに、温度センサー一体型がよかったです。
温度センサーがヒーター本体に内臓されているタイプがオススメの理由と経験談
温度センサーがヒーターと一体型だと水槽に設置する器具が一つ減るため、水槽内がスッキリします。
また温度センサーはあまり大きくないためしっかり設置しても、カメが触って水の外に出してしまったり、壊してしまうリスクが減るからです。
温度センサー一体型と一体型でないものを両方使ったことがありますが、圧倒的に一体型の方が安心でした。一体型ではないものは温度センサーをカメがいじったり噛んだりしてボロくなってしまいいつ壊れるかと心配でした。汗
↓実際に我が家で使っていたヒーターの水温センサー
カメが噛んだりぶつかったりで最終的に壊れてしまいました・・・
このようなことがあったため現在は、水温センサーが水中ヒーターに内蔵されているタイプを使っています。
空炊き防止などの安全装置が付いているものを選ぶ
万が一水中からヒーターが出てしまった時などのために、安全装置があるものを選びましょう。
3.11の震災で水中ヒーターが原因の火災も数件あったため、ヒーターの構造の見直しがされたようです。
2016年10月以降は、水中ヒーターに安全装置を設置することが義務付けられたため、安全装置がない製品は販売ができなくなりました。
ですが購入前は一応確認しておきましょう。
↓安全装置の表記
ヒーターに安全装置が付いてなくてヒヤッとした話
ちなみに友人は、3.11の震災で留守中に熱帯魚の水槽がひっくり返り、ヒーターが空炊き状態になっていて、帰宅した時には白煙が出ていて火事寸前だったそうです。
安全装置が着いていたらこのような自体は回避できたはずなので、非常に大切だと改めて思った話でした。
水中ヒーターを使うときの注意点
特にカメの水槽で使う場合は水位もそこまで深くない場合が多いため、熱帯魚などで使う場合とは違った注意点がいくつかあるので紹介していきます。
カメの飼育水槽にヒーターを設置するときは以下のポイントを押さえましょう
・水中からヒーターが出ないように設置する
・水流がある場所に設置する
・カメが外してしまわないようにしっかり固定する
・ヒーターカバーを必ずつける
・必ず水中に設置してから電源を入れる
・取り外す時は電源を切って15分以上置いてから
・水換え前に電源を切っておく
・水位に注意(水面ギリギリに設置しない)
・水温計を確認して日々しっかり作動しているか確認する
ではそれぞれ解説していきます。
ちなみに初心者のころヒーターでの失敗は結構してますのでそれも全て綴ります。汗
水中からヒーターが出ないように設置する
必ずヒーター部分全体が水中にある状態で設置しましょう。
水中から一部が出ている状態で使用すると正常に作動せず、故障や火事の原因になってしまいます。
↓設置例
水流がある場所に設置する
濾過器などの水流がある場所に設置することで、効率よく温められた水が水槽内を循環し温度のムラをなくしてくれます。
水流がない場合だと、温まるのにも時間がかかり同じ水槽内でも温度にムラが出てしまいがちです。
カメが外してしまわないようにしっかり固定する
ヒーターにカメがぶつかったり触って動かしてしまうと、ヒーターが正常に作動しなくなることや水から出てしまい空炊きになって故障してしまうことがあり危険です。
このようなことが起こらないように吸盤などでしっかり留めて固定しましょう。
ヒーターに初めから付いているものだけだと不安な場合は、強い吸盤を買い足して補強するのもありです。
ヒーターカバーを必ずつける
ヒーターカバーを必ずつけるようにしましょう。
ヒーターは水を温めるためにかなりの高温になります。カバーをつけてない状態でカメが触れてしまうと火傷してしまうので絶対に忘れずにつけてください。
またカバーをつけることで破損の防止にもなるため重要です。
必ず水中に設置してから電源を入れる
電源を入れる時は必ずヒーターの本体を水中に入れてからにしましょう。
ヒーターが高温になるので触れてしまって火傷をしたり、水との急激な温度差でヒーターが割れたりする場合があります。
取り外す時は電源を切って15分以上経ってから
ヒーターを取り外す時は電源を切ってから15分ほど時間を空けてからにしましょう。
使用中のヒーターは非常に暑くなっているため火傷の危険があります。
電源を切って水中で冷ましてから取り出せば安全です。
水換え前に必ず電源を切っておく
水換えを行うときは、ヒーターが水中から出てしまい空炊きにならないように必ず電源を切りましょう。
故障の原因になります。
万が一ヒーターの電源をONにしたまま水中から出して一定時間おいてしまうと、オーバーヒートして故障したり、安全装置付きの場合は自動的に回路が切れて2度と使えなくなったりします。(安全装置が働いても再び使えるタイプもあります)
水位に注意(水面ギリギリに設置しない)
水面近くに設置しないでください。
ヒーターを使用するとどうしても水の蒸発が早くなります。そのため、水位が下がってヒーター本体が水面より上に出ないように日々チェックすることを心がけることが大切です。
特にカメの飼育では水位が低い環境が多いので、水の蒸発の影響が大きくなるためこまめに水を補給し水位を維持するようにしましょう。
水温計を確認して日々しっかり作動しているか確認する
ヒーターを入れたからと言って安心し切ってはいけません。
故障する場合があるので、日々設定温度に水温がなっているかチェックする必要があります。
故障で、ヒーターを入れているのに水温が低かったり、逆に温度が異常に高かったりに気がつくことができないと、飼育している生き物の命に関わります。
故障している時にいち早く気がつくことが大切です。
水中ヒーター使用での失敗談
長年に渡り色々なタイプの水中ヒーターを使ってきていますが、最初の方はちゃんとした知識がなかったり使い方に慣れていなかったため失敗した経験が結構あります。
ここを見に来てくれた皆さんには同じ失敗をして欲しくないので大きな失敗談3つをシェアしていきますね。
失敗談1〜水中ヒーターで火傷
ガッツリ火傷した経験があります。
電源を切った直後でヒーターが冷める前に取り出してしまい、持っていた指から「ジュッ」っと音がした瞬間は今でも忘れません。
ヒーターは空気中だと400℃くらいまでなるそうです。電源を抜いてから冷める前に触ってしまうと本当に火傷するので気をつけましょう。
失敗談2〜空炊きしてしまい破損
電源を抜き忘れて水中から出し放置してしまい一台ヒーターを壊した経験があります。
空炊きの安全装置が働き2度と使えなくなりました。そして5000円くらいのものだったので痛い出費。汗
これも一歩間違えたら取り出す時に火傷のリスクもあり危険です。
失敗談3〜ヒーターが壊れて作動していなかった
飼育2年目の冬、前年使っていた26℃設定のオートヒーター設置。
数日後、水換え前に水温計をよく見たら15℃・・・!ヒーターが壊れて作動していませんでした・・・
日々水温チェックをしていれば防げたものなので、それ以降はデジタルの見やすい水温計を導入しチェックするようになりました。
そしてヒーターは音もなく壊れます・・・気をつけてチェックしていないと本当に気がつきにくいです・・・
前年ちゃんと使えていたものが必ずしもしっかり作動するとは限らないので、久しぶりにヒーターを使う場合は作動チェックをすることをオススメします。
水中ヒーターの実際の設置例【動画解説付き!】
最後に読者様へ
住んでいる地域や環境などにより、ヒーターを導入する時期や期間は個人によって変化するものです。
今回の記事で載せているものはあくまで目安ですので、最終判断は飼育者様本人で判断して実践してください。
当ブログは一切責任は持てませんのでよろしくお願い致します。
ヒーターに関連する記事はこちら
他にもヒーターや水温維持に関する記事があります!どうぞご覧ください◎
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